自分のサイズは人並みか?

僕は三十年来、男性不妊に悩む患者さんを診ている一方で、泌尿器科医として思春期の子どもたちの相談を担当している。

開始当初から現在まで、ずっと変わらない相談内容がある。

「自分のおちんちんは、どうやら友達のより小さいようだ」「どうやら雑誌で知った情報よりも短いようだ」といった類のものである。

思春期だけでなく、大人になっても、いや男ならばずっと変わらない悩みかもしれない。

しかし、ここで断言しておく。

大きいか小さいかを人と比べるのは意味がない。

たとえば、人より大きくても精子の数が少かったり、機能に問題があったりしたら?

そう、サイズよりも重要なのは、精子が元気で、女性を妊娠させる力を持っているかどうかだ。

結論をいえば、ペニス(陰茎)が大きいか小さいかは精子力、いわば「妊娠させる能力」には関係がない。

乱暴な言い方ではあるが、要は勃起して、膣内で射精できればいいのである。

つまり、射精や精子の能力とモノの大小・長短には相関関係はないということ。

ただ極端に小さいペニス、いわゆるマイクロペニスは、勃起が不十分であったり、腫内挿入が困難なため、射精や妊娠には問題がある。

それでも男性がこれほど大きさを気にするのは、「大きい=精力がある」とか、「大きければ大きいほど、女性に快感を与えられる」などのエピソードが世に蔓延しているからだろう。

しかし、これらは都市伝説とでも言っていいほど、根拠のないものばかり。

男性も女性も、思い込みが先走っているように感じる。

だから、自分のペニスのサイズについて悩んだり、考えすぎたりしなくていい。

それよりも、現代は「腫内で射精できないこと」のほうがよほど大きな問題なのだが。

日本人の平均の長さ

ちなみに日本人男性の勃起時の平均的なサイズは、どれくらいであろうか?

これは測定方法によって異なる。

すなわち下腹部の脂肪の厚みの影響を避けるため、恥骨に強く物差しを押しつけて測定する必要がある。

また、医療従事者が測定した場合と、ウェブ調査のように匿名・自己申告(アンケート)で調査した場合とでは、大きな差がある。

たとえば、コンドームメーカーであるオカモトがアンケートで行った調査では、日本人成人男性の勃起時のペニスの長さは平均15.1㎝、また、2000年に行
われたウェブ調査では14.6㎝だった。

しかし、医師が測定した場合は12.7㎝と報告されているものもあるようだ。

また、人種による違いについては、ニグロイドは13.37㎝と記載した文献もあった。

ついつい他人と比較してしまうのはペニスに限ったことではないだろうが(隣の芝生はなんとやらである)トイレや銭湯など機会があれば、つい目がいっ
てしまうものだ。

そんなときは覚えておいてほしい。

他人のペニスは横から観察できるので長さを正確に視認できるが、自分のペニスは上から見下ろすので短めに感じられるのだ、ということを。