中高年男性の最大の悩みは勃起不全

韓国の調査では、高齢者の性生活における問題点は、勃起不全など「身体的老化」(18%)が多かったそうです。

日本でも、下半身に何らかの悩みを抱いている男性が約1100万人もいると推定されています。

一般に、男性は50代より性的能力が落ち始め、インポテンツ率は70代で4~6割とされています。

原因は心因性のものが多く、相手の拒否や血管の老化がそれを助長する原因と言われています。

若いときから社会活動が活発な人は、性生活も盛んで、老いても心身ともに若々しいという傾向があります。

また、性生活は、中断期間が長くなるほど再開が困難となり、それを廃用性萎縮と呼ばれています。

どんなものでも「使わなければ錆びつく」のです。

勃起はどうして起きる?

したくてもできない、これをインポテンツ、ED、勃起不全などと呼びますが、そもそも勃起という現象はどのようなメカニズムで起きるのでしょうか。

勃起は血液がたまることで起こることを最初に発見したのは、「モナリザ」で有名なダピンチだと言われています。

しかし、ダピンチの時代の医学では詳しい仕組みまでは分かりませんでした。

現代では、勃起は脳と脊髄の完全な支配下に置かれていることが分かっています。

勃起時に働くのは副交感神経、勃起を押さえるのは交感神経です。

平常時はペニスの海綿体にある平滑筋細胞が、動脈を常に圧迫して血液の流入を抑える役目を果たしています。

ですから平常時には、手足や他の身体の部分に流れ込む血液の量よりも、ペニスに流れ込む血液の量は少ないのです。

ところが、脳が性的な刺激を受けると神経伝達物質が分泌され、この物質が血液の流入を抑えている平滑筋の働きを弱めます。

すると平滑筋がゆるみ、勃起血液が海綿体に充満し勃起が起るというわけです。

そして勃起後は、充満した血液で硬化した海綿体により、ペニスから血液を排出している静脈が圧迫され、ペニス内の血液の流出が妨げられ、勃起状態が持続出来るのです。

平常勃起の時は脳や脊髄からペニスへと一方通行ではなく、同時に逆の通路もあり、絶えず連絡を取り合っており、射精したり、性的興奮が減退したりすると、勃起が速やかに鎮まるのは、連絡を受けた平滑筋がペニスへの血流を制限するためなのです。

インポテンツはなぜ起きる

では、なぜ男性は性器機能が衰えるのでしょうか。

それは、このペニスが勃起する仕組みと関係があります。

男性は興奮すると体内の血液がペニスへと集まり太くなり、反り起つのですが、血液や血液の流れ(血流)に問題があったり、前立腺等に問題(前立腺肥大等)があったりすると正常に機能しません。

また、腰などに問題があっても同様です。

腰が悪くヘルニア等を煩っていれば腰骨の軟骨が神経に触れ、神経に支障をきたしていれば勃起の妨げになることがあります。

しかし、一般的な勃起不全は、精神的なものが起因すること多いようです。

勃起障害または勃起不全のことを最近ではEDと呼ぶことが多くなりましたが、これは男性なら多くの人に起こり得る症状なのです。

専門的には「性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないため、満足な性交が行えない状態」と定義されています。

性行為をするときに必要十分な陰茎の勃起が得ることができず、満足な性交が行えない状態をいい、性欲があるのに勃起しないという症状です。

身体的ストレスや精神的ストレス、年齢的なことが要因で障害が起こる場合がほとんどなのです。

勃起不能状態になった場合、多くの人はその症状を精神的な一時的なもの、自分だけに起きている相談できない欠陥などと、自分で判断してしまいがちです。

しかし、EDはひとつの病気であって、けして恥ずかしいものではありません。

最近、日本で行われたEDについての疫学調査の結果によると、日本でも現在、40~70歳の男性の半数以上が何らかの原因でEDになっていると考えられています。

EDはなかなか口に出すのが恥ずかしいということで、その実体を把握するのが難しいのですが、日本でEDに悩む人は、約11OO万人とも言われています。

(従来使われていた「インポテンス」という呼び名は「性的不能」と訳されるように、人として本来備わっている能力が失われていることを意味し、こうした悩みを持つ男性への思いやりに欠ける言葉だったという反省から、欧米では、最近、EDという表現が定着しつつあります。)